こんにちは。
いま理事長はシエラレオネにいます。
首都フリータウンから車で5時間ほど東にはしったところにある、スンブヤというところにいます。
ここで何をしているのかというと、産科・新生児病棟をかねた診療所をつくろうとしています。
突然ですが、みなさんは、フルーツ会社のDoleってご存知でしょうか。
果物で有名な世界的な巨大資本です。こちらではSierra Tropicalという名前です。
実はこの会社がパイナップルの大規模プランテーションをここで経営しています。巨大プランテーションが入ってくるわけですから、地域のコミュニティーに対して与える影響は計り知れないものがあります。大規模農場、つまり世界資本が地域農村に与える影響は、経済的にも環境的にも甚大です。
その是非はひとまず置いておくとして。。。
この会社は、地域に対する還元策の一環として、診療所、学校、病院などの公共施設を建てる計画です。
この地域でお産ができる施設は限られています。そして、何かあったときに母体搬送できる病院は、舗装されていない道を延々2、3時間ちかく走らないと辿り着けません。
そこで、IGPCは診療所の運営、特に周産期に重点をおいた施設をつくることで、SierraTropicalと協力することにしました。
我々が目指すのは、分娩中に何かあったときに遠くまで搬送しなくてもよくなるように、ある程度の救急対応ができる施設です。
では、現状はどうかというと。。。
こんな感じです。。。なんと遠い道のりか。。。
実は、先日たまたま理事長がいったときに、妊婦さんが一人いました。
一回もエコーでみてもらったことがないので、胎児エコーをしてくれと頼まれました。
ちなみにエコーは「バタフライ」というアメリカ製の超音波診断装置を使っています。スマホに接続すればスマホの画面が超音波のスクリーンになるという携帯型超音波です。この超音波装置の画像の質はめちゃめちゃいいです!しかもアイホンあるいはアイパッドで使えるというすぐれものです。
話がズレてしまいました。
さて、その女性をバタフライでエコーしてみると、妊娠8ヶ月だっていうのに、赤ちゃんがなんか小さい。
詳しく話を聞いてみると、上の子供は死産している、とのこと。怪しいと思って聞いてみると、やっぱり鎌状赤血球と診断されていました。
日本だったら、すぐヘモグロビンを測って貧血の程度をみるのですが、ここではそんなことできません。そこで、眼瞼結膜をみてみたら、真っ白!!!結構な貧血です。おそらく4か5g /dlくらいかな。。。でも平気で歩いて外来にきてました。。。
この患者さんはとりあえず、要注意妊婦として病院で分娩するように説明しました。
医療施設と呼べるような施設がないこの場所で、いまこうしている間にも、ハイリスクの妊婦さんがゴロゴロいて、いつ何がおこってもおかしくない状態です。
そして何かおこってしまったとしても対応できる施設は近くにない。。。。
はやく自前で、妊娠管理から新生児、乳児まで診療できる施設が欲しいところです。
実はいま診療所をプランテーションの敷地内に建設しています。建物はほぼ完成していますが、設備はこれから揃えていかないといけません。中はからっぽです。
この建物のバックヤードにスペースがあるので、ここに分娩室とオペ室、新生児室をつくる予定です。
設備も大事ですが、もっと大事なのは人材です。
分娩が始まれば、助産師さんたちが必要になります。
そして、彼女らをトレーニングする人たちが必要です。
来年の秋頃には分娩スタートの予定です。
うーん間に合うかな。。。
今日はこのへんで。
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