日本経済新聞6月1日のプレスリリースに、「フィリップス、携帯型超音波診断装置Lumifyを発売」という記事がでていました(こちら)。
フィリップスのルミファイはとても優秀な携帯型超音波装置です。
アプリをダウンロードすれば、「自分のスマートフォンでも使える」を売りにしていたと思うのですが、日本で販売されるのは、専用タブレットを使用したモデルです。
現在、いろいろな会社が携帯型超音波診断装置を販売していますが、画像の質や機能面で、やはりフィリップスにかなう相手はいないでしょう。
さらに、このルミファイには、画像共有システムREACTSを搭載しています。つまり、ベッドサイドで今撮っている画像を遠隔地にいる専門家に、リアルタイムで見てもらうことができます。
これから一般的になるであろう遠隔医療を見据えての日本リリースだと思います。
理事長たちも、いぜんからお伝えしているスマートフォン型超音波診断装置に、通信機能をもたせようとしています。
そして、妊婦健診を遠隔で行うことを目指しています。
しかし、もうルミファイでできるのであれば、今更開発する理由がありません。
遅すぎる!!理事長が関係各所に何回もお願いしても、開発に協力しようとする人が出てきません。特に同業者からは、ほぼ100%「ひつようない」と言われてしまいます。。。。泣
今の日本で妊婦検診を遠隔で行う理由は、いままではほとんどなかったと思います。
なぜなら、かかりつけ医にすぐに行けるからです。
確かに日本でも、遠隔地に住む妊婦さんは、医療機関にかかる負担が大きいという指摘がありました。
しかし、大部分の妊婦さんは都市や街に住み、交通事情のよい日本なら比較的短時間で医療機関にかかることができたのです。
しかし、新型コロナウイルス は遠隔医療を否が応でもすすめるでしょう。
すでに、胎児心音を自宅でモニターする研究は始まっています。
セルフエコー、セフルモニター
自宅で、妊婦さんが自分で胎児心拍計をお腹に装着する、という研究は日本でもすでに始まっています。アメリカでも、アバロンという会社が、パッチをお腹につけるだけで、胎児心音が計測できるデバイスを開発しています(こちら)。
自宅で計測した結果が、遠隔で病院に送られて、専門家が判断する。
では、同じようにエコーはできないのか。
実はエコーは、使う人の熟練度によって得られる画像の質が大きく左右されます。当然、妊婦さんたちは素人ですから、素人がとった画像がどれほど有用なのか、という疑問がおこります。
なので、ルミファイも基本的に医療従事者が使用することを念頭においています。
すくなくとも研修医くらいの知識をもっている人になります。
じつは、ここに理事長たちが開発をする余地があります。
というのは、私たちが考えているのは、「自宅でセルフエコー」だからです。
つまり妊婦さん自身にエコーしてもらう、ということです。
確かに、胎児エコーをする場合、精密な手技が要求される場合もあります。しかし、精密検査は2、3回でいいので、繰り返し行う妊婦検診のほとんどでは、そこまでの精度は要求されません。
単純にエコープローブをお腹に当ててもらって得られる画像だけで十分な場合がほとんどです。
これなら妊婦さん自身でも充分できると思っています。
そのために機能は最小限にして、インターフェースもものすごく単純にしています。
と言っても、まだまだ実物ができるまでには時間がかかりそうです。
そんなことをしているうちに、フィリップスのルミファイが、日本の遠隔妊婦健診でもスタンダードになっちゃうかもしれません。
今日はこのへんで。
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